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フジテレビ本社ビル=2023年9月、東京都港区、朝日新聞社ヘリから、竹花徹朗撮影

 タレントの中居正広さんが起こした女性とのトラブルにフジテレビ幹部社員の関与があったと報じられた問題で、フジが日本弁護士連合会のガイドラインに基づく第三者委員会を設置したことを受け、総務省は24日、フジに早期の調査を進め、結果を踏まえて適切に判断、対応するよう要請したことを明らかにした。

 総務省によると、23日夜、豊嶋基暢・情報流通行政局長が、フジと親会社のフジ・メディア・ホールディングス両方で代表取締役会長を務める嘉納修治氏に電話で伝えたという。「放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図る」という放送法の目的を定めた同法1条の趣旨に照らし、同省の所掌事務を定めた総務省設置法に基づいて要請したとしている。

 フジテレビを巡っては、スポンサー企業のCM差し止めが相次いでいる。村上誠一郎総務相は24日の閣議後会見で「広告によって成り立つ民間放送の事業の存立基盤に影響を与えかねないばかりか、放送に対する国民の信頼を損ないかねない事態」と指摘。「第三者委員会で早急に事実関係が明らかにされ、視聴者やスポンサーの信頼が回復されることが必要だ」と述べた。

 この日の会見では、元総務省幹部の吉田真貴子(山田真貴子)氏がフジ・メディア・ホールディングスの社外取締役を務めていることに関連し、「天下り先確保のため、総務省の対応が甘くなっているなどの懸念がある」という質問も出た。これに対し村上総務相は「国家公務員の再就職に関しては、公務の公正性とそれに対する国民の信頼確保が重要で、総務省も職員のあっせんなどを禁じた再就職規制の順守を徹底している」と説明。吉田氏の再就職については、フジ側の判断による採用との認識を示し、「あっせんし再就職させるいわゆる『天下り』という事実はない」と述べた。

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